この時からまた新しい気づきがあった。

都庁からの写真を見てふと思い出した写真がある。
東京に出てくる少し前に読んだ江國香織「東京タワー」の文庫の表紙の写真だ。
実際読んでみて話としては特に好みではなかったが、表紙に惹かれ購入し読後もとても印象が深いのはこの写真がとても印象深かったからだと思う。

東京タワー (新潮文庫)

フィルムで撮られたんだろうと思うのだが、その頃は写真の知識は全くないので、懐かしい雰囲気のする写真だなと思った。建物も今ほど高くないものが多そうなので文字通り「懐かしい」のかもしれない。
でもただ時間が昔だということだけでなく、東京はコンクリートジャングル(笑)だと思っていた私は、この風景に何か暖かみを感じ、それまで冷たくクールな街と考えていた東京の生活も意外とそうなことはないのかもしれないと思い、そして上京した。

調べてみるとこの写真はホンマタカシさんという写真家さんの作品だそう。
他にも子供を撮ったりされているようで、そこに写る子供のまなざしになんとも惹かれる思いがあった。
何か暖かみがある日常がそこにあり、その雰囲気がとてもステキだと感じた。こんな風に自分の子供を撮れたらいいなと感じた。

東京の中にある暖かみ・・・・そんなものを表現してみたいと私は思っているのかもしれない。

恋する惑星の映像に惹かれたのも香港という流れの速い雑多な街の中でのほのかな恋心という暖かさだったのかなと改めて思う。それと同じように一見冷たくクールだと思われる街・東京の中にある希望や暖かみを表現していきたいのかもしれない。

だからLomoで撮るクロスプロセスだったりもおもしろそうだが、私は作為的ではないナチュラルな普通の場面を青みがかった雰囲気で撮りたいんだなと気づく。それも青じゃなく青緑、懐かしく記憶の中の世界、デイドリームな感じ。

色々作例をネットで調べたところ、FUJIFILM PRO400Hというフィルムがイメージにとても近いような機がした。このフィルムは元々海外向けで国内ではそれを逆輸入していた。日本ではPRO400というのが長年発売されていたが、最近生産中止になり国内でもPRO400Hに1本化された。しかも青みはPRO400Hの方が私のイメージに近いようなのでそれは好都合。

PRO400Hの色をミントカラーなんて表現する人もいるようだけど、普通の現像だとそこまででもないみたい。トイラボだとどうなんだろうか?次はこのフィルムを使ってみよう♪

FUJIFILM カラーネガフイルム(プロフェッショナル用) フジカラー PRO400H 35mm 36枚 1本 135 PRO 400 H NP 36EX 1